どーも、サトル85です!
本日4月3日は、52年前に特撮ドラマ『仮面ライダー』の放送がスタートした日です。
ということで今回は、大ヒット公開中の話題作『シン・仮面ライダー』をより楽しむための「初代仮面ライダー講座」とさせていただきます!
映画のキャッチコピーにもなっている「変わるモノ。変わらないモノ。そして、変えたくないモノ。」が、どのように表現されているかの発見に繋がればと思います。
【2つの原作】
『仮面ライダー』は、テレビ版の他に、原作者・石ノ森章太郎先生が描かれた漫画版が存在します。ただし、漫画版が先に存在し、それを原作としてテレビ版が制作されたわけではありません。
実はテレビ版と漫画版は同時進行で展開していったのです。
ですので、『仮面ライダー』には2つの原作が存在することになります。
今で言うメディアミックスのはしりですね。
公開中の映画『シン・仮面ライダー』は、テレビ版の設定はもちろん、所々に漫画版を意識した要素も盛り込まれています。
【本郷猛】
ここからは、『シン・仮面ライダー』に登場するキャラクターを、原典であるテレビ版及び漫画版の『仮面ライダー』の設定を元に紹介していきます。
まずは、『シン・仮面ライダー』では池松壮亮さんが演じる本郷猛。
頭脳明晰、スポーツ万能の青年科学者である本郷は、その能力を見込まれ、悪の秘密結社「ショッカー」によって改造手術を受けバッタの能力を持った改造人間となります。
しかし、洗脳手術の前に緑川弘博士の協力により辛くも脱出、「仮面ライダー」としてショッカーと戦うことを誓います。
テレビ版と漫画版の一番の違いは、仮面ライダーの設定です。
テレビ版では、変身ベルトの風車に風圧を受けると肉体が変化し、仮面ライダーに変身する設定ですが、漫画版では強化服として描かれています。
そして、特徴的なのは「仮面」の位置付けです。
漫画版では、怒りや悲しみによって浮き上がってくる顔の傷跡(改造手術の影響で出来たもの)を隠すという役割を持っています。
この浮かび上がる顔の傷に関しては、後年の平成仮面ライダーシリーズでも、度々オマージュとして取り入れられています。
【縁川ルリ子】
『シン・仮面ライダー』では浜辺美波さんが演じる縁川ルリ子ですが、もちろん原作でも登場します。
テレビ版でも漫画版でもほぼ設定は同じで、本郷猛をショッカーに推薦した緑川弘博士の娘で、父を殺害したのは本郷猛だと勘違いし、本郷を憎むようになります。
(縁川博士はショッカーの蜘蛛男によって殺害された)
しかし、自身もショッカーに襲われたことで本郷に対しての誤解も解け、本郷に協力。漫画版では本郷に対し、仄かに想いを寄せるような描写も見られるようになります。
本作のヒロインではありますが、テレビ版で登場するのは全98話中の第13話まで。
退場理由は、後述の一文字隼人により、ショッカーの別計画を追って本郷猛と共に日本を離れたと説明されます。
【一文字隼人】
『シン・仮面ライダー』では柄本佑さんが演じる「仮面ライダー第2号」こと一文字隼人ですが、原作ではあるアクシデントがきっかけで誕生したキャラクターなのです。
『仮面ライダー』第9話・第10話(コブラ男編)の撮影中、本郷猛役の藤岡弘、さんはオートバイ事故を起こし、左脚の大腿骨を粉砕骨折するという大怪我を負います。
撮影も続行不可能となり、番組の打ち切りも余儀なくされた状況で生まれたのが、もう1人の仮面ライダーでした。
第14話からは、主役を新たな仮面ライダーである一文字隼人に変更し番組は続行。初代仮面ライダーである本郷猛は、ショッカーの別計画を追って日本を離れたという設定で難を逃れました。
尚、テレビ版では、ショッカーによって改造された一文字隼人が、脳改造直前で本郷猛に助け出され、第2の仮面ライダーとなったことが台詞で語られるのみですが、漫画版の方ではまた違ったドラマチックな展開となっています。
【13人の仮面ライダー】
漫画版第4話にて、一文字隼人は本郷やルリ子に忍び寄る毎朝新聞の記者として初登場します。
しかし、その正体はショッカーの刺客で、仮面ライダーと同じ姿をした12人の改造人間のうちの1人でした。
正体を明かした一文字は本郷に襲いかかるものの、仲間が放った銃弾が頭部をかすめたことで倒れます。
一方、本郷は残りのライダーたちに挑みながらも力及ばず、一斉射撃を受け瀕死状態に。
頭部に銃弾がかすめたことで運良く洗脳が解けていた一文字は、残りのライダーたちを撃破。人類の自由のために戦う本郷に感銘を受け、自身が新しい「仮面ライダー」になることを誓うのです。
一方本郷は、肉体は失ったものの、脳髄だけは無傷だったため、本郷家の財産をつぎ込んだ最新のテクノロジーで脳髄だけの状態となり、仮面ライダーのマスクを通じてテレパシーで会話をし、一文字のサポートをし、共に再びショッカーと戦います。
【かえってくるライダー】
テレビ版では、ショッカーの別計画を追って日本を離れた本郷でしたが、半年後の正月放送の第40話で待望の復帰を果たします。
(演じる藤岡弘、さんは、左脚にボルトの入った状態での撮影だったそうです)
帰国した本郷は、日本で戦う一文字と合流、ここに仮面ライダー第1号と第2号、ダブルライダーの夢のタッグが誕生したのです。
その後も本郷は度々帰国し、ダブルライダーとして一文字と共に戦い、第52話で南米のショッカーと戦うために日本を離れた一文字に変わり、第53話からは再び主役として日本の守りに就きます。
以降、仮面ライダー1号の姿は、2号と同じ赤いベルトにライトグリーンのマスク、体の側面には2本のラインが入った「新1号」と呼ばれる姿にリニューアルされます。
【その他の登場人物】
原作の『仮面ライダー』には、他にも欠かせないキャラクターが登場します。
その1人は「おやっさん」こと立花藤兵衛。
テレビ版では、本郷のオートバイのトレーナー兼スナックAmigoのマスター、第14話以降は立花オートショップを開業し、若者や子供たちの溜まり場となります。
一方漫画版では、代々本郷家に使える執事として登場します。
本郷のことも「猛ぼっちゃま」と呼ぶような、いかにも執事なキャラクターで、テレビ版とは全く違う印象です。
そして、もう1人欠かせないのはFBI捜査官・滝和也です。
テレビ版では、第11話から登場し、ライダーをサポートする協力な味方として活躍しました。
彼らが今回の『シン・仮面ライダー』にどのようなかたちで登場するのかは、是非劇場でご確認下さい。
【庵野秀明セレクション】
現在、MBS毎日放送(関西)では、毎週火曜深夜に『シン・仮面ライダー』の監督・庵野秀明氏による『仮面ライダー』の傑作選(全10回予定)が放送されています。
TVerでも5/8まで、その時点で放送済みの傑作選エピソードは全話配信中ですので、原作を知る意味でも是非チェックしてみて下さい。
『シン・仮面ライダー』公開記念 庵野秀明セレクション 仮面ライダー傑作選
https://www.shin-kamen-rider.jp/news/551/
【真の安らぎはこの世になく】
現在、映画『シン・仮面ライダー』の前日譚となる漫画『真の安らぎはこの世にはなく -シン・仮面ライダー SHOCKER SIDE-』が週刊ヤングジャンプで連載中です。
こちらの漫画は、本郷猛をSHOCKER(映画では英語表記)に推薦した緑川弘の息子・縁川イチローの目線で物語が展開します。
映画で登場するキャラクターの過去が描かれているのはもちろん、元々SHOCKERがどのような組織だったのかも窺えるので、是非とも押さえておきたい作品です。
【未発表キャスト】
『シン・仮面ライダー』公開から6日後、未発表キャストが解禁されました。
あえてこの記事ではキャスト名は伏せますが、気になる方は新たに公開された追告映像で確かめてみてください。
同じく庵野秀明氏が総監督を務めた『シン・ゴジラ』や『シン・ウルトラマン』をご覧になられた方なら思わずニヤリとする方も出演されていますので、これまでの「シン・ジャパン・ヒーロー・ユニバース」の作品を追っている方は、より楽しめると思います。
【御期待ください】
さて、今回は「初代仮面ライダー講座」とさせていただきましたが、まだまだ全然語りきれません。
そんな語りきれない程の魅力が詰まった『仮面ライダー』を現在の解釈で再生させたのが『シン・仮面ライダー』です。
『シン・仮面ライダー』公式サイト
https://www.shin-kamen-rider.jp/
庵野秀明監督をはじめ、ライダー愛に溢れたスタッフやキャストにより製作された意欲作ですが、もちろんこれまで仮面ライダーに触れたことの無い方でも十分に楽しめる作品となっています。
是非、御期待ください。