今回は性善説と性悪説のお話しです。
以前、神保町にオフィスがあった頃の苦い失敗談です。
ある営業マンの売上が空発注だったことが判明し、とても大変なことになったことがあります。最初から悪気があったわけではなく、最初は順調だった案件が頓挫し、既に受注をあげているので、それを取り消せず、ズルズルと時間がたち、発覚した時には取り返しがつかない額になっていました。
その時に、その営業マンにいわれたのは
「御社がもっとしっかりとした受注の管理体制があったら、こんなことにはならなかったのに・・」でした。
その時に思ったのは、この期におよんで人のせいにする人だから、この人はダメなんだなぁ、ということと、性善説で会社を運営してはダメだなぁ、ということでした。
★★★
世の中には、性善説と性悪説というのがありますが、私はいつも「性弱説」が一番正しいんじゃないか?と思っています。
とにかく人は弱いので、周囲に流されます。落書きがたくさんしてある場所は、いつのまにか落書きだらけになるし、さぼっている人ばかりの教室ではみんながさぼり始めます。
以前、子供のPTAの時に感じたのは、特に女性は、ボス猿がいい人だとみんないい人の集団になり、意地悪な人だと皆が意地悪な集団になる傾向がありました。パレートの法則というのがありますが、集団は2:6:2の構成比で動き、真ん中の6割の人はどちらにでも流されます。確固とした意志をもって動いているのは、上と下だけで、あとの6割は浮動票です。
そしてこの6割の浮動票が実は一番、数が多く、力を持っています。この人たちがどう動くか?で集団の意志が決まり、方向性が決まります。そういった意味で、このムーブメントで動く6割の人たちが、闇落ちしない仕組みがとても重要です。
そしてこの痛い失敗から、不正ができないような頑丈な仕組みを作ろうと思いました。それがウリカン(売上管理システム)で、今の経理ちゃんの前身です。不正のできない頑丈な仕組みを作ることが、結果的に弱い人たちを守ることになる、というのが失敗から学んだ私の結論です。
今後はテレワークが増え、カシーへの依存度がますます上がっていきます。カシーによって業務の効率化ができるようなシステム開発を進めていこうと考えているのは、この性弱説が元になっています。
また部課長の皆さんにはよく「不用意な発言をしないように」や、「管理職は感情を外に出さないこと。常に泰然自若であること」と言っている理由は、集団というのは予想以上に、ムーブメントで動くものだからです。特に今回のコロナや売上不振の時などは、上が不安な顔をしたら、部下の人たちは必要以上におびえ、感情的になり、不安になります。リーダーはそういった人の弱さをきちんと理解し、自分の部署が変なムーブメントに惑わされないよう、常に万全の注意を払わなければなりません。
★★★
あと一点、スタッフの皆さんには「人のせいにしないこと」だけは、是非お願いしたいです。
私は昔から、人のせいにする人がとにかく大嫌いで、どうして嫌いか?というと、そういう人は、3年後に会っても、5年後に会っても、同じ話をしているからです。進歩がありません。
人は自省して初めて、痛みを感じます。その痛みから学び、成長します。
自分は悪くない、周りが悪いんだ、と常に周りのせいにしている人は、痛みもない分、成長もありません。ずっと同じ不平不満を、職場を渡り鳥のように転々としながら、ずっと繰り返しています。そして一生、自分は運がないとぼやいています。
痛い目にあったら、自省し、学習しないと、また同じ落とし穴に落ちます。
Qごとに部署ごとの振り返りをしてもらっているのは、この自省して成長するメカニズムを促進させるためです。逆に今、失敗して悩んで、痛みを感じている人は、それは「成長痛」です。背は伸びていないけれど、心が成長している証拠なので、トコトン悩んで成長して下さい。
皆さんは、自分の成長を実感できていますか?
以上、性善説、性悪説のお話しでした。ではでは~(‘◇’)ゞ
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