「鉄砲を売るな。弾を売れ!」
これは以前、私が勤めていたキヤノンで言われていた言葉です。
キヤノンの創始者の御手洗さんという人は、お医者さんで、胃カメラのカメラを作るためにキヤノンを創設しました。当時、カメラのレンズを作るのは大変で、光学レンズを、専門の職人が何日もかけて磨いて作っていました。
その後、カメラの製作により会社は軌道にのっていくのですが、その時、御手洗さんはフィルムを作らなかったために、
「苦労してカメラを作っても、儲かるのはフィルムばかりなり・・」
と、とても悔しい想いをしました。
★★★
この苦い反省をふまえて、次に考えたのがコピー機です。
コピー機のビジネスモデルは、保守料金という形態で、1枚コピーされるごとに、何銭という保守料金がコピー会社に入る仕組みになっています。これ以外に、コピーのトナーが高額で、使えば使うほど売れるようになっていて、この2つで、うなるほど儲かる仕組みになっていました。これによってその後、キヤノンの社長は、経団連の会長にまでなったのは、皆さん、ご存知ですよね。
正直、コピー機なんてただでもいいくらいで、置いておいてさえもらえれば、保守料金が座布団モデルになっていて、チャリンチャリンと小銭がたまっていきます。
当時、私が在籍していたころのキヤノンは、純正のトナーを販売していましたが、安いサードパーティーと呼ばれる中国などがトナーを販売していおり、これを防ぐために、モデルチェンジを繰り返して、サードパーティーへの牽制をしていました。
★★★
自分で会社を創った時、思い出したのがこのスローガンです。
とにかく、1度売れたらそれっきりになってしまうようなものを販売しないこと。少額でもチャリンチャリンと積みあがり、取引が継続して行われるような形態にすること。
これを念頭に、のりかえ便利マップや駅構内図は、自分で最初に自腹を切って作成して、版権という形で企業に貸し出す形態をとりました。そしてメンテナンス費用として、継続した売り上げを確保すること、を心がけました。
現在、当社は「情報提供業」という産業分類ですが、今でもやっていることは同じで、変化の激しい情報を意識して取り扱い、それを変更させ続けることによって、安定した事業モデルを展開しようとしています。
目指しているのは、コピーの保守料のような「座布団モデル」です。
当社はIT業者で、製造業と違って在庫のリスクがないため、より効率のいいビジネスモデルになっています。私がよくオープンデータや助成金情報といった、とにかく変化の激しいデータに特化して、経年変換のビジネスモデルに固執するのは、このキヤノンのスローガンが今も頭にあるからです。
「変化こそがビジネスチャンス」なんですね!
ちなみにキヤノンのヤは、大文字なんですよ。ご存知でしたか?
そしてキヤノンの語源は「観音様」の観音なんですよ~。
以上、最後に小ネタでした。ではでは~(‘◇’)ゞ
オススメ書籍はこちら↓