かつて、忽然と消息を絶った報和航空402便YS11機が突如、羽田空港に帰還した。
しかし68名の乗員乗客にとって、時計の針は10年前を指したまま……。戸惑いながらも再会を喜ぶ彼らと、その家族を待ち受けていた運命とは??。歳月を超えて実現した愛と奇跡の物語。

こんにちわ。サイヤ人です。
今テレビでもやっている、 「神はサイコロを振らない」を紹介します。
1994年に飛び立った飛行機がそのまま行方不明になり、2004年に突如戻ってくる、というタイムスリップものですが、すごくいろんなことを考えさせられる小説です。。
面白いのは、作者が選んだ1994年~2004年という10年間です。
「日本人はこの10年間、本当に地獄をみてきた。でも国は何も変わっちゃいない」という強烈な皮肉も、ある意味納得なのでした。

生まれたばかりの娘と妻は、既に再婚して渡米していたり、5歳の男の子は両親は離婚し父親はリストラされ、ホームレスになっていたりなど、それぞれ10年の重さがのしかかります。でも当人たちは、昨日と同じ、というギャップが妙に悲しい・・。老夫婦は、息子夫婦を阪神大震災で失い、娘は地下鉄サリン事件で意識不明の入院中、不倫していたスチュワーデスは父親は娘の死を儚んで自殺、母は末期癌で入院中、なんていう過酷なものばかりです。

もし、自分が今日、不慮の事故で亡くなったら、10年後はどうなっているだろう?なんて、考えると、確かに重いし、考えちゃいますよね。。自分の墓参りをする、なんて貴重な体験ですもの。
そして残された時間はわずか3日。3日で消えてしまう運命の彼らは、それぞれ悩みながら、目いっぱい、自分の人生を生きようとします。彼らは運命を変えることができるのでしょうか??

今を生きることの大切さを、身にしみて感じる1冊です!
とにかく、後半は泣けます。。。 立ち止まって考えるには、最適な一冊ですヨ。
以上、サイヤ人でした。。(*’-^)-☆

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