大人になったら、友達をつくるのはとたんにむずかしくなる。働いている女が、子供を育てている女となかよくなったり、家事に追われている女が、いまだ恋愛をしている女の悩みを聞いたりするのはむずかしい。高校生の頃は簡単だった。一緒に学校を出て、甘いものを食べて、いつかわからない将来の話をしているだけで満たされた。けれど私は思うのだ。あの頃のような、全身で信じられる女友達を必要なのは、大人になった今なのに、と。

こんにちわ。本が大好き!サイヤです。
今日は、角田光代さんの「対岸の彼女」を紹介します!直木賞受賞作です。
角田光代さんって、今すっごく売れてますよね。知っています?先日TVでも週の連載が16本だと、紹介されていました。最近は通販のコマーシャルなんかにも出ていますよね。

私も最近はまって、結構読んでいます。その面白さの秘密は、とにかく登場人物の心理描写がすごい!特に女性心理を「うん、うん、わかる、わかる・・」って感じで、非常に鋭く、生生しく「えぐる」ところにあります。この「対岸の彼女」は、勝ち組と専業主婦と負け犬系のキャリアウーマンという、一見180度対比される二人を、河の向こう側とこちら側くらい違う、という意味で分け、チグハグな二人の友情が成り立つか?をテーマにしています。

「女の人を区別するのは、女の人自身なんだ。」や

「なぜ私たちは年齢を重ねるのか。生活に逃げ込んでドアを閉めるためじゃない、 また出会うためだ。出会うことを選ぶためだ。」

「ひとりでいるのが怖くなるようなたくさんの友達より、ひとりでいても怖くないと 思わせてくれる何かと出会うことのほうが、うんと大事」

とか、はっとさせられるような言葉がちりばめられていて、立ち止まらずにはいられなくなる「筆力」が、彼女の小説にはあります。その深さが、いろんな受賞の評価になっているんじゃないかなー?と思います。

サイヤ人個人としては、映画にもなった「空中庭園」も乾いたドロドロさが良かったので、お奨めです。

特に女性に読んでいただきたい、1冊です♪


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