久しぶりの鉄ネタでございます、のsortieでございますです。

先日大阪へ出張へ行ったのですが、こんなときでも「何に乗ろうか」と考えるのが鉄の常でございます。

そんなsortie、今回の往路には、東海道山陽新幹線の新たなエース・N700系がドーンと増えている昨今なのにあえてこれを選ばず、かつてのエース・500系を選んだのでありました。

というのも。
このまさに「弾丸列車」という形態の500系、就役からわずか十余年で、「のぞみ」運用から姿を消すことになっていて、現在もう東京駅には3往復しか顔を出さないのです。
新幹線の車両は運転距離が長く高速であるがゆえに、他の鉄道車両よりも早く引退していくのですが、まさか500系がこんなに早くエースの座を明け渡すとは思いもしませんでした。

500系は廃車にはならないようですが、再利用されることは決定しています。
その転用先は、なんと山陽区間(新大阪~博多)の「こだま」!
エースから末端のローカル運用へ…まさかの転用劇です。

ところで。
500系は、JR西日本が開発した新幹線電車で、1996年に運転を開始しています。
山陽新幹線内での営業最高速度は300km/h。これを実現するために先頭のノーズは極限まで低く長くなっていて、さらには車体断面は従来に見られない円形なので、まるで翼のない航空機のような車両になりました。
技術的にもハイライトが多く、まさに日本の鉄道技術の結晶とも言えるものです。

で。この500系。すさまじい高出力なのです。
なんと発車後4分程度で300km/hまで加速出来る圧倒的な加速力。
これは、連続定格出力285kWのモーター×4/両×16両なので18240kW=約2万5千馬力という途方もないパワーがもたらすものです。

日本の代表的な電気機関車・EF65型が定格2550KWですから、
500系は1編成でこの機関車7両分にも相当します。

それでいてブレーキ性能も優れていて、
滑走防止の「セラミック噴射装置」を装備。
なんと300km/h走行時でも270km/h走行時の300系と同じ程度の制動距離なのだそうです。

そんなこんなのハイテク・超弩級新幹線500系ですが、それゆえ製造費も桁違いで、1編成50億円!とも言われています。
そのため量産は9本(144両)で終了し、以降はJR東海と共同設計の700系に引き継がれました。

500系がこれほど早くエースの座から陥落する理由はいくつかあるようです。

●定員が他の車両(300系・700系)と合わず、緊急時の運用変更に問題があったこと。
●車両の断面が円形で窓際の席の居住空間に圧迫感があり、不評だったこと。
などの理由があげられていますが…。

500系のあと量産された700系は性能と居住性などのバランスが勘案され、
そして500系の後継にもあたる「N700系」は500系に近い性能+700系の居住性を持つ、技術の進歩が生んだある意味「究極の新幹線」です。

ですが、やはりオトナも子供も熱中してしまうような、
誰もが「すごいなあ」と思わせるインパクトを持っている500系が表舞台から姿を消すのはとても残念です。

といいつつ、次回からは行きもN700系を選ぼうと思っているちょっと薄情なsortieなのでした♪

※写真は丸い断面が魅力?の500系。車内は飛行機みたいでちょっと狭い感じは否めませんね。

投稿者

関連投稿